« | »

5 保証人の求償権 (2) 委託を受けた保証人の事前求償権(民法460条・461条)

民法第460条は,委託を受けた保証人が事前求償権を行使することができることについて定めるが,仮に,同法第455条を債権者が主債務者の財産に対して適時に執行をすることを怠ったために主債務者からの弁済額が減少した場合一般に適用される規定に改める場合(前記4(1)イ参照)には,委託を受けた保証人に事前求償権を認める必要性は失われるとの指摘もある。 この点について,どのように考えるか。

[意見]委託保証人の事前求償権は必要は無いというべきである。

[理由]補足説明のとおりである。

なお,補足説明4の保証会社が事前求償権を行うことが必要であるという反論は,保証会社を取立機関とするということを前提とするものであって,このような保証会社の取り立て行為を幅広く認めることは,保証会社の存在意義すら疑問を呈さざるを得ないものである(実質的には弁護士法72条の潜脱を意図しているとしか言い得ない)。

民法改正(債権関係・債権法)に関する意見書です。ご自由にご覧ください。